不動産買取の査定価格と売却価格の違い
浜松市は政令指定都市として各種インフラが整っている浜松市の住宅需要は高く、物件の売買も盛んです。そんな不動産の売買が行われる際には必ずといってもいいほど「査定価格」と「売却価格」という2つの言葉が出てきます。似てはいますが少々意味が異なるので、手持ちの物件を売る際は両者の違いについて正確に知っておく必要があります。
査定とはいくらで売れるかを推算すること
不動産は店頭で売られている食品や日用品などとは異なり、定価というものがありません。したがって価格は原則として売り手が自由に付けてよいことになります。とはいえ一般の住宅所有者や土地所有者は、必ずしも不動産に関する専門知識を持っているわけではないので、いざ売ろうと思っても価格をどのように決めたらよいのかわかりません。
そこで専門家である不動産会社に価格を付けてもらいます。これを査定といいます。査定価格はこの査定によって「これぐらいの金額であれば買い手がつきそうだ」と専門家が認定した価格です。言い換えれば、ある程度推測を交えた見積価格とことになります。もちろん推測といっても現在の市場動向などを基に算出するので、きちんとした根拠があります。
一般的には取引事例比較法・原価法・収益還元法という3つの算出方法のうちのいずれか、あるいは複数組み合わせて数字を算出します。最初に取引事例比較法とは、これから売ろうとしている物件とよく似た過去の取引事例を参考に、相場の変化や周辺環境などの諸要素を加味して価格を決めるものです。中古住宅を売却する際によく使われる手法です。
次に原価法は、今ある物件を仮にゼロの状態からもう一度建てるとしたらいくらコストがかかるかを積算して、それを査定の根拠にするものです。土地付き一戸建てなどの場合によく使われます。最後に収益還元法は、その物件が生み出すであろう将来の収益を予測して価格を決めます。投資用物件を査定するのに適した方法です。
売却価格は買い手との交渉で決まる
査定価格が不動産にかかる「売れるであろう価格」を意味するのに対し、売却価格はその物件が「実際に売れる価格」のことを指します。「売り出し時に広告に掲載される価格」と「成約価格」という2つの意味がありますが、ここでは後者の意味で説明します。売却価格は売り手と買い手の合意によって決定されます。とはいえ、この場合も金額を決めるための何らかの手がかりが必要になります。
そこで使用されるのが先に述べた査定価格です。具体的にいえば、売り手が査定価格に基づいて決めた金額で物件を売りに出し、その金額に買い手が納得して売買契約が結ばれれば査定価格=売却価格となりますが、納得がいかなければ価格交渉が行われ、改めて売却価格が決められることになります。もちろん売り手が自分の意志で売却価格を決めることもできます。
たとえば事情があって少しでも早く物件を手放したいという時は、査定価格よりも低めに設定することも可能です。逆に「浜松市内でもとくに人気エリアにある物件だからもっと高くてもいいはずだ」と考えて、高めに設定してもいいわけです。しかし、その金額で買い手がつかなければ最終的は修正が必要になることもあります。売買価格を決める権利はあくまでも売り手と買い手の両方が同等に持っており、両者がともに納得しなければ契約に至ることはありません。
仲介か買取かで査定価格と売却価格の関係は変わる
売却価格は売り手と買い手の合意によって決まるため、査定価格と同じになるとは限らないと先に述べましたが、これに該当しないケースもあります。それは不動産買取会社に査定を依頼する場合です。住宅などを売却する方法としてよく知られているのは、不動産仲介会社に依頼して買い手を探してもらうというものです。
この場合は買い手となるのは主に一般の個人です。これに対して、物件を不動産会社に直接買い取ってもらうやり方もあります。これが不動産買取です。買い取った後の用途はさまざまで、そのまま転売することもあれば、リノベーションなどを行って付加価値を付けて売り出すこともあります。不動産買取の場合、その買取会社が出した査定価格は「当社はこの金額で物件を買い取ります」とことを意味します。それに売り手が納得すれば、売買契約が成立することになります。
したがって、この場合は常に査定価格=売却価格となります。もちろん売り手側から「もっと高く買ってほしい」と交渉することも理論的には可能ですが、その場合は再査定を行って金額を決めることになるので、査定価格=売却価格という前提は変わりません。浜松市内にはたくさんの不動産会社があり、仲介と買取のどちらかを専業で行っているところもあれば、両方を兼業しているケースもあります。どちらの方法で売却したいかによって査定価格が異なることがありますので、依頼する際はその点を考慮した上で価格を出してもらうようにしましょう。
不動産における査定価格とは、専門家が過去の取引状況や相場の動向などに基づいて算出した「売れるであろう価格」のことをいいます。これに対して売却価格は、実際に売買契約が結ばれる際の価格をいいます。仲介によって物件を売る時は両者の金額は異なることがありますが、不動産買取の場合は原則として一致します。